ザイオンス効果と絵柄の流行について
- うさぎいンく
- 2019年2月19日
- 読了時間: 3分
pix○vなど見てるとわかると思いますが
絵柄の流行はけっこうものすごい速さで変わっていきます
ついてくのも大変ですが…避けては通れない轍
だいたい半年くらいで人気の絵柄が変わるので
うちの業界(美少女ゲーム)だと
企画に1~2ヶ月その間にその絵柄をプレゼンや会議に通します
(彩色グラフィックからも色彩設計やタッチの提案をします)
そこから画面(絵)の制作に早くて10ヶ月
プログラムやら工場やらで1~2ヶ月
なのでリリースされると一年前の流行が反映されることになるのですが
その頃にはその一年前のタッチやら色やらが世間に馴染んで通常になってたりしますので
ちょうどいい感じにこなれます
おそらくこの時に起こっているのが俗に言う「ザイオンス効果」だと思います
芸能人の人気のモデルケーズとしてよく言われている現象ですが
みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか
テレビ(最近ではYoutubeや配信SNSなど)で何度も何度も見ていると
友達(ときには彼氏彼女)だったかのような親近感が湧いてきて見ないとなんとなく寂しいと思うようになるのでそのタレントを求めるようになる現象です
(かくいううさぎもそういうタレントさんやらYoutuberたくさんいるのですが…誰か薄い本描いてよ…マジでほんとに頼むよ...)
絵の流行でもこれと同じことが言えると思います
なので「流行をまったく度外視してオリジナルで自分を通してやるぜ!」っていう方もよく見かけるのですがそれもそれですごくいいことだと思うのですが
おそらくユーザー(視聴者)は「絵師全体」(もしくはオタクメディア全体)で感じ取っているので
人に見せることを考えたらそういうわけにもいかない...ユーザーの親近感に違和感を持たせる、もしくは壊すことになるからです
ユーザーの違和感は制作サイドの人間よりも顕著です
ドット欠けなど作ってる側の人間よりユーザーさんのほうが気づいたりします
作ってる側はずっと見てるので距離を置いて見れなくなってるのでよく起こることです
人気のある方でもやはり細かいところでマイナーチェンジをしてたりします
顔の描き方などを大きく変えると個性が消えてしまうので、服のシワの表現や影色の設計なんかを流行に合わせていってるようです
(若いアシさんとか彩色グラフィッカーに頼んだらそういうのがあがってきてて先生のほうもそちらにシフトさせていってる可能性もあります、顔の描き方も気づかれないようにほんとに少しずつ変えていってる方もいますよね、計算してるのかな?やはり)
シワの描き方や髪の毛の表現、色彩設計の流行の推移についてはまた別に描きたいと思います
これを変えるだけでもかなり新しくなりますので!
個性を通すのも大事だけど、多少は流行考えないと見てる側が大変だよって話でした
異論も多いと思いますが、すごい我流の個性で売ってる方はだいたいものすごい画力が高い上に成り立っているので流行の絵も間違いなく描けてその上でやってると思います...
以前にある漫画家さんに「この人自分で毎日イラストアップして自分で流行を生み出してるんだよ~」ってpixivのページを紹介されたんですが
もちろんその絵師さんがまったくすべて一から絵柄を作ってるわけではない絵柄でした
(その方は漫画家だからあまりイラストを見てないのかもしれないですが他にもそういう絵柄描いてるもっと有名な絵師さんもいます...)
ただ毎日アップすることでその絵柄の流行を支えていることにはなると思います
(二次創作やってる方には当たり前のことですよね!)
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